家族による家族のための『家族葬』であるために。もう一度考えるべき、「家族葬」とは何かを!  by二村祐輔

  • 最近のお葬式傾向は、「シンプル」に「内々」で、事を進めたいと願う人が増えてきました。これは、莫大な葬儀費用の心配もありますが、心情的には近親の『死』をもう少し身近なところで感じとっていきたいと云う想いでもあります。
  • 葬儀社批判に多く見られるのが、過剰で一方的ななサービスの押し付け。それは、ご逝去から通夜・葬儀・火葬まで、手早く着実に、自社サイドでことを進めるのが、不満に思っている人の声も多く耳にします。
  • これまでの葬儀がパターン化し、ご身内の方々の要望より、むしろ葬儀社側が主導を持って、『ご遺族に手を煩わせないこと』を最大の葬祭サービスと位置づけているように思います。確かに、そのときは安心で、滞りなくことが運ばれますが、実際ご近親、ご遺族の方々の心の中には、どういった印象が残るのでしょう?『あわただしく、何がなんだか、わからないうちに葬儀が終わってしまった。』という事後の感想をいう人も多いはずです。
  • こういった状況から、ご葬儀そのものに疑問を持つだけでなく、そこには何ら価値や、葬送の意義を見出せないないまま、多額の支払いをしなければならない苦痛を感じています。その結果、『葬儀はしなくてもいい!』という人もおられます。
  • けれども、私たちの心情として、故人を慈しみ、また少しでも感謝の念を亡き人に対して投げかけたいと言う気持ちは、誰もが持っているはずです。そこで、知恵を持たない葬儀社やご葬家は、中庸を取って『密葬』と云う手法を当てはめ、それでことを済まそうとしています。云うまでもなく、『密葬』と云うのは、後日の『本葬儀』を前提としてある言葉で、密葬だけで済ますということはあり得ません。
  • このような社会現状の中、内々で、シンプルに、しかも心をシンプルに、棺周りだけの装飾の家族葬の例込めたお見送りを身近な方々で行うお葬式を『家族葬』という新しい手法で執り行なう家族も年々増えてきました。
  • 家族葬』では、家族を中心に親しいお友達やご関係者に参集していただき、少人数で、意味のあるお見送りを営みます。もちろん葬儀規模が縮小されていますので、費用の面でも、残された方々に負担を残すようなことのないよう配慮します。同時に、ご家族、ご参集の方々には単なるお客様として、ご参列していただくだけでなく、いろいろな場面で「手を差し伸べて」いただき、そのご葬儀に『参加』していただくようなご配慮も必要かと思います。